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2014.08.29

レモンマン

うまくかくれてよ

よくもわるくもさ

もう いわないから

もう いわないから

きれいな歯ぎしりは

いまもおぼえてる

もう きかないけど

もう きかないけど

 

おもうだけねむる

きけんはない

おもうだけねむる

あかりもない

 

うまくかくれてよ

よくもわるくもさ

もう いわないから

もう いわないから

 

うやむやにつづけ

きまりはない

うやむやにつづけ

あかりもない

2014.08.29

レイア

レイア きみのふるさとには

ひまわりの花は絵のように咲いているか?

上にあって 下にない

いつもの日の光ならば

あそびにでかけてみないかい?

夜が明けるまで

 

レイアの青い目 いつまでも見ていたい

まばたきする間に消えてしまわないで お願い

愛の合図が欲しくて ゆっくり歩いてそれを待つ

踊りをするようなステップ踏んで 手はほどかないで

 

ほんとのきょうだいみたい

不安なところがよく似てる

ねむらず朝日に帰ったぼくは

いつもとちがう変わった夢をみる

 

レイア この歌聞こえますか?

地球の裏側でも聞こえますか?

レイア レイア 青い目の女の子

あそびにでかけてみないかい?

夜が明けるまで

♪試聴

2014.08.29

女の祈り

男の気持ち わかるなら

放っとかないで見てろよ この背中

おれがこうして今 頼んでいるのは

おまえをおいてもう何もいらないから

 

女の気持ち わからないの?

命をかけてどこかへ消えたりしないで

わたしがこうして今 叫んでいるのは

あなたをおいてもう何もいらないから

 

どうか お願い ひとりでいても

街のなかにいても

ひざまずいたまま祈るのよ

むかしのひとがみんなそうしたように

 

小さな願いならかなうでしょう

しずかな暮らしも 心すこやかなねむりも

わたしがこうして今 祈っているのは

あなたや他のだれかのためかもしれない

 

ぼうや お願い 離れていても

すこしだけ近くにいても

お星さまやお月様の下で

むかしのひとがみんなそうしたように

 

小さな願いならかなうでしょう

しずかな暮らしも 心すこやかなねむりも

わたしがこうして今 祈っているのは

あなたや他のだれかのためかもしれない

♪試聴

2014.07.01

きんたろうのバラッド

どこから切ってもきんたろう

どこから切ったらいいんだろう?

さて かんがえた

さて かんがえた

あたまのはげが広がるまで

深くかんがえた


まさかり持ってもまるでだめ

あたまをつかえば憎たらしいけど

かんがえた

おー かんがえた

こぐまにまたがられながら

ぼくはかんがえた


ちからづよく山を歩けば

まだいいことが埋まってそうだ

夢見てもかんがえた

ひとりの山で


まさかり持ってるきんたろう

真っ赤な前掛け 金の文字

おい あぶないぞ

おい あぶないぞ

近づきゃばかがうつされるぞ

やつはあぶないぞ


ちからづよく山を歩くよ

かなしい声は聞きたくないよ

夢見てもかんがえた

ひとりの山で

ハイシ ドウドウ ハイドウドウ イエー


どこから切ってもきんたろう

どこから切ったらいいんだろう?

さて かんがえた

さて かんがえた

あたまのはげが広がるまで

深くかんがえた


ぼくはきんたろう

2014.07.01

その日は土曜

はやくおきたら なにをしよう?

どこへいこう?

その日は土曜

さあ なにをしよう?


窓を開けて朝日を呼ぼう

空気をたべよう

あまいお茶を飲もう

さあ今日は土曜


まぶたを開いて

誰も起きないぜ

朝は寝ぐせだらけ

頭かいて 出ておいで


もしも晴れたら 誰に会おう?

誰に会おう?

その日は土曜

あなただけ呼ぼう


おおきな船に乗って

見知らぬ大地へ

夢かうつつなのか判らぬまま出ておいで


もしも雨なら どこにいよう?

どこにいよう?

その日は土曜

そんな日はいつも土曜

2014.07.01

ハヤテの白い花

ハヤテの親子が狩りに出る

ハヤテの親子が狩りに出る

ママは祈りにかまけて二人の帰りを待つ


けだもののろのろ山を下る

けだもののろのろ山を下る

雨に濡れてつやつやと輝くその毛皮


「むすこよ よくねらえ

ほら暗くなる

脇腹を撃てば毛皮は取れぬ」


ためらいの一撃は右へそれる

頼みの綱の小枝も折れる

ママは祈りにかまけて二人のことなど忘れる


けだものの一撃が突き刺さる

脇腹を目がけて突き刺さる

返り血のナイフがひとりでにとどめを刺す


夜はけものにやさしく

ひとにきびしい

おそれを知らねば山では食えぬ


ハヤテのむすこは山を下る

毛皮とピストル売り飛ばす

余った小銭でもらえた絵の具とパン


山に戻って描くよ 崖に咲く白い花

2014.07.01

やどなしよいちはながれもの

やどなしよいちはながれもの

おいたちばなしはまゆつばで

たびがふるさとといいはりやまぬ

いちにちどおしであるきづめ


たからのやまをめざしてゆけばまちまでぎゃくもどり

みぎあしのやつがおれをおいかけてからまわり


なみだはみせぬ おとこだもの

ひとざとはなれてたびながれ

やどなしよいちははぐれもの

おもたいかたなはもたないで


うらのうらみちのおもてみち

ひとめをしのんでうつむいて

むかしなじみにわかれをつげ

かなしいきもちはうたにして


あまやどりしながらみかけたあのこのうしろすがた

おもいだせないおもかげおいかけてねむろうか


なみだはみせぬ おとこだもの

まだまだうごくぜ このからだ

やどなしよいちはながれもの

きのうのともだちよ いざさらば


もうひとつとうげをこえたらひとやすみできるかな

かわもをながれるおちばをみながらはなうらない


なみだはみせぬ おとこだもの

あたらしいあさがふあんでも

やどなしよいちはながれもの

あのさびしいくちぶえきかせてよ

♪試聴

2014.07.01

どろぼうねこのさいご

どろぼうねこはまた昔をおもいだし
 なんだかとてもさびしそうだ
 お菓子のさかなのほねをかくしたとこ
 ぜんぜんおもいだせないで
 よるもまだねむれないのです
 

 どろぼうねこ どろぼうねこ
 おまえのいきたあかしはどこ?
 もっかい探してきなよ もうすぐしぬぜ
 おろかなる彼をすくいたまえ
 

 神様みてた そのさかなのほねを隠すとこ
 「なんだ あんなところにあるじゃないか
 どれ退屈しのぎに一肌くらいは脱いじゃろうかな
 老い先短いおまえはあわれなどろぼうねこだから」
 

 どろぼうねこ どろぼうねこ
 おまえのいきたあかしはどこ?
 もっかい探してきなよ もうすぐしぬぜ
 おろかなる彼をすくいたまえ
 
 神様化けた 泥よりきたないどぶねずみ
 「なんだかとってもおいしそうだなあ」
 どろぼうねこまっしぐら すぐに追いかけた
 神様それ見て
 「やっぱりやめときゃよかった」
 なんておもうのです
 

 どろぼうねこ どろぼうねこ
 おまえのいきたあかしはどこ?
 もっかい探してきなよ もうすぐしぬぜ
 おろかなる彼をすくいたまえ
 

 どろぼうねこはまた昔をおもいだす
 「なんだか無茶ばっかしてきたもんだ」
 山越え 谷越え あっというまに雲の上
 お菓子のさかながいくつもあたまの上を泳いだのです
 

 どろぼうねこ どろぼうねこ
 おまえのいきたあかしはどこ?
 もっかい探してきなよ もうすぐしぬぜ
 おろかなる彼をすくいたまえ
 

 これがみなさん
 あのどろぼうねこのさいごです
 どうかわすれないでくださいね
 いっしょうけんめい生きていたねこでした
 ほんとうにいっしょうけんめい生きていたねこでした
 

 どろぼうねこ どろぼうねこ
 おまえのいきたあかしはどこ?
 もっかい探してきなよ もうすぐしぬぜ
 おろかなる神よ すくいたまえ
 

2014.07.01

灯りをつけて

もう夜だ 暗くなったよ
 灯りをつけて
 わかりやすい合図で出ておいで
 

 あのオオカミもいなくなったよ
 怖がることないよ
 ほんのちょっとしずかにしてればいいよ
 

 すくないけれど食べ物もある
 あの朝日のやつらが来るまで
 ひそひそ話続いてるよ
 

 窓を開けて
 小鳥が鳴いた
 そろそろ出かけなくちゃ
 わかりづらい場所にあるぼくのいえ
 

 ひみつにするなら教えてあげる
 あの朝日のやつらが来るまで
 ひそひそ話続いてるよ
 

 まぶたを開けて
 小鳥が鳴いた
 そろそろ出かけなくちゃ
 わかりづらい場所にあるぼくのいえ

♪試聴

2014.07.01

はやく起きたら

朝はやく起きたら 友達がいたよ
 つめたい枕のそばにまで わざわざ来たよ
 だけど名前を聞いたらはずかしがって消えたよ
 朝はやく起きたら 友達を見たよ
 

 夢の中で撃たれて 驚いて目が覚めて
 青ざめたきみがいて 時計を見たよ
 紅茶をすすめたら カップの中に消えたよ
 朝はやく起きたら 友達を見たよ
 

 虫けらが鳴き疲れて草の寝床に戻るとき
 海鳥が渡るのをはじめようとするとき
 つくりかけの話に人がおびえてるとき
 鼻歌まじりで歩く友達を見たよ
 

 夜露を集めながらそいつは来たよ
 かなしいぼくのために遠くから来たんだよ
 髪に触れようとしたらまたたいて消えたよ
 朝はやく起きたら 友達がいたよ
 

 朝はやく起きたら 今日は何をしようかな
 一日が長いからすきなことできるよ
 わずらわしくもないし邪魔者もいないよ
 そうだ 朝はやく起きたら 友達に会おうよ

♪試聴

2014.07.01

古いすましたお人形

おまえ 探す 俺の歌うとこ

なるべく音ひびくところ

どこでもいいよ こだわるなよ

おまえがそばで聴いていれば


おまえ 坐ってる 古いお人形みたいに

色褪せてる服で

何か欠けてるから惹きつけられる

たとえ 欲しいと思わなくても

おまえ 探す 俺の弱いとこ

おまえにも少なからず当てはまるところ


「風が冷たい 雨が降りそうだ

場所を変えてから話そうよ」

頭にくるほどすましてる

まるで古いお人形みたいに


おまえ 気にしてる 俺の不吉な夢

ガラス越しに話した夢

壁の落書きを二日考えると

おまえ もう見えなくなる


おまえ 探してる 俺の眠るとこ

おまえにも少なからず役に立つところを


おまえ 呼ばれる またあたらしい名前で

日の当たらない部屋で

「頭がいいからすましてるのよ

まるで古いお人形みたいでしょ」

♪試聴

2014.06.30

やんなっちゃう

   先生は言うよ
 「せなかが丸いのを直さないとあとで苦労するよ
  いなかに住んでるきみのお母さんもきっと泣いてるよ」
 先生はこうも言う
 「気持ちの悪い絵を描くのはもういい加減やめなさいよ
  となりに座る子『もう学校行きたくない』なんて言って
  泣いてるよ」
 

 見てみろ まわりの友達
 見てみろ おまえだけおかしい
 だったらいいよ 居残りでも
 人より多く学べるから
 

 きょうもやったぜ 居残りだ
 きのうにつづいて 居残りだ
 夕日を背にして イノコリだ
 ぼくだけ出来が悪いんだもの
 

 先生は言うよ
 「まっすぐ並びなさい
  みんなと歩幅をそろえなさい
  みんなとおんなじタイミングで転びなさい」
 先生はこうもいう
 「髪を切りそろえなさい
  着ているものを洗いなさい
  ほら よだれを袖でふくのはみっともないからもうやめなさい」
 

 見てみろ おまえ 泥だらけ
 みんなの悪い見本になれ
 言いたいことはのみこみなさい
 二十字以内にまとめなさい
 

 きょうもやったぜ 居残りだ
 きのうにつづいて 居残りだ
 夕日を背にして イノコリだ
 ぼくだけ出来が悪いんだもの
 

 先生はこれを教育の一環だと呼んでる
 ぼくを奈落の底にまで落として
 夢の中でもぼくをぎろりと睨みつけて
 目に入るものすべてを憎めという
 手に入るものすべてを盗めという
 着ているものすべてお気に入りの紫色に塗りつぶせという
 

 見てみろ おまえの友達
 みんなできみを誇りにおもっているよ
 だからいいよ 居残りでも
 できないなりにがんばります
 

 やんなっちゃう 居残りだ
 やんなっちゃう 居残りだ
 夕日のせいにしてイノコリだ
 ぼくだけ出来が悪いんだもの

♪試聴

2014.06.30

スターチャイルド#1


ほしくずのこ おまえのすがた
ながめずおわるこのきょうは
ながくてかなしい

はなをかざしたあまいよこがお
わすれることはできないぜハニー
だれとどうしてるの?

ぎんいろのうまにのれ
すなちをかけておいで
たのしいことなどなんにもない
きみがいなくては

あさひがさして もはやねむれない
ことりのうたうさんびかであたまはぐらぐら
うみをみてても やまをながめても
わすれることはできないぜハニー
だれとどうしてるの?

こぶねでこぎだそうぜ
はだしでかけておいで
たのしいことなどなんにもない
きみがいなくては

ほしくずのこ めがみのいとこ
みなものつきをすくうのはおまえのしごと
のどをからしてよるにさけんでも
わすれることはできないぜハニー
だれとどうしてるの?

2014.06.30

おしゃまなリボン

きょうのおでかけなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

へやにかがみはないけれど
わかる わたしににあういろ
たかいきものはないけれど
ださきゃまちではわらいもの

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

すこしおしゃまないもうとの
すこしせのびなくつとリボン
あなたのものはわたしのもの
はなざかりのわたしににあうんだもの

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

まちはまいにちおまつりで
まちあわせやまぶだちだらけ
すこししってるだれかにね
きっとばったりあえるかもね

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

3年むかしのブラウスは
まるでたべかけのわたあめみたい
よるをはためくちょうちょには
くろいドレスじゃものたりない

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

ななめむきに歩いてみれば
ななわりましのみかえりびじん
ながい髪にはクシかけて
いなかなまりにはごようじん

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

まちはまいにちおまつりで
まちあわせやまぶだちだらけ
みせるあいてはないけれど
ださきゃまちではわらいもの

すこしおしゃまないもうとの
すこしせのびなくつとリボン
あなたのものはわたしのもの
はなざかりのわたしににあうんだもの

だからこんな日はなに着てこう?
タンスあけたらなに選ぼう?
べつにそんな気はないけれど
上になに着てこう?

おしゃれでおしゃまなくつとリボン

おしゃべりおしゃまなくつとリボン

2014.06.30

木彫り細工の女の子

   窓の外から見える指先はだれのもの?
 左側だけ隠してる 傷があるから
 

 ちょっと 暗くなるころに
 子どもが帰って行くころに
 ロウソクの火は片隅を照らす
 

 木彫り細工の女の子
 向かい合うのは古いつぼ
 ひじが割れてる女の子
 迎えがくるのはいつのこと?
 

 浅黒い肌してるのはおひさまの国から来たから
 睨まれてもかまわない
 目はいつでも閉じてるから
 

 おおきな髪飾りして
 冬でも素足で立っている
 ちからづよく たくましく眠る
 

 赤い砂漠の女の子
 見とれてるのは黒いクモ
 ひじが割れてる女の子
 ねえさんたちはどうしたの?
 

 船で運ばれてくる友達を眺めてる
 店の奥には来られないみたい
 おしゃべりもできない
 

 薄暗いこの毎日も
 少し大げさで長い夢
 昨日なんて明日になればいい思い出
 

 ぼくが見たのは女の子
 木彫り細工の女の子
 迎えの馬車が来る そのときを
 心待ちにしてるのさ いつも

♪試聴

2014.06.30

地球最後の日

 みんなで出口を探す夜
 光のさす方へ急いでる
 重たいまぶたが百ならぶ夜
 春夏ないのはそりゃ困る
 

 ぼくのランプはつかないんだ
 けれど かなしい話 聞きたくないから
 きみを連れてくだろう
 地球最後の日
 

 強がるあんたもはじめだけ
 争うあんたも夜明けまで
 群がるカラスでまた真っ黒け
 根元がぐらぐら ぼくの家
 

 思い出話はもうたくさん
 だから あしたの天気がどうなるだとか
 きみに聞かれるだろう
 地球最後の日
 

 靴ひもしめたら さあ行こう
 宝のありかはこの向こう
 ものには最後があるというが
 若いぼくにはまだわからない
 

 壁から何かが聴こえてる
 にぎやかロックが流れてる
 トランプ遊びでまた盛り上がる夜
 おひさま来ないのいつまで続く?
 

 奈落の底から這い上がろうよ
 これまでの事 全部嘘にして
 きみを連れて行くよ
 地球最後の日

♪試聴

2014.06.30

ダイヤのジャックはむずかしいゲーム

おまえが来ないと負けちゃうよ
 なかなか来ないと負けちゃうよ
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム
 

 王様の横に姫が来て
 昨日の稼ぎが嘘になる
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム
 

 考えても無駄さ
   もうこれ以上 待てないなら
 負けないように
 傷つかないように

 誰かお金を貸しておくれ
 五倍にするよ 貸しておくれ
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム
 

 王様の横に姫がいて
 護る男も近くにいたよ
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム

 

 貰える物は質に入れて
 黒いマントで朝を迎える
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム
 

 考えても無駄なのに
   これ以上 待てないから
 負けないように
 傷つかないように
 

 おまえが手元にあるときは
 なかなかうまくいかないふり
 ダイヤのジャックはむずかしいゲーム

2014.06.30

ナガレヤマジュンコ

ジュンコは働く 古着屋で
 昼間のあいだ時給はゼロで
 麦わら帽子被りながら
 暇をつぶしてる
 猫と涼しいところで
 

 ぼくはふらふら通りを歩く
 「何か足りない」なんて思いながら
 頭が痛いのもきっとそのせいさ
 誰かに訊いてみよう はやく
 暗くならないうちに
 

 ぼくに合うシャツはどれですか?
 ぴったりくるのはどれですか?
 教えてよ 教えてよ
 でもジュンコはただ笑う
 

 「ねえ
 窓にうぐいすが止まってるよ
 煮ても焼いてもきっと食えないけれど
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子
 

 ジュンコはお気に入りの曲をかけて
 部屋中自分色に染めてから本を読む
 「リクエストなら答えてもいいけれど
 トムウェイツはダメよ
 真夜中じゃないんだもの」
 

 「あなたはほんと正直な人ね
 顔に(かまってほしい)って書いてあるもの
 お金がないのも知ってるわ
 棚の上の箱をとってよ
   話だけなら聞いてあげる」
 

 夏に合う帽子はどこですか?
 ぴったりしっくり来る帽子はいったいどこですか?
 教えてよ 教えてよ
 でもジュンコは靴下を縫う
 

 「車に雪が積もってるよ
 季節外れもほんといいとこだけど
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子
 

 ジュンコの耳には中国製のピアス
 「三年前の青空市で二つ揃えたの
 わたしのふるさとには二度あるクリスマス
 でもうらやましがらないで
 面白くもないのよ」
 

 「あなたは何か探しているみたい
 昔からずっとおんなじ何かを
 ものを見つけるにはまずはかがまなくちゃ
 明かりが弱いところはすてきに見えるんだよ」
 

 わからないことが多いのです
 納得いかないことが多いのです
 だから教えてよ 教えてよ
 でもジュンコはまだ笑ってる
 

 「ねえ
 大事な誰かの誕生日
 ひらひらのドレスを着て踊ろうよ
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子

♪試聴

2014.06.30

あおむしのジョン

 みどりの葉っぱをかいくぐり
 行く手の敵倒す武器もなく
 ただ さだめにまかせて突き進むきみはなんていさぎよいやつだろう
 

 もちもち のびのび のんびり行くよ
 あおむしのジョン
 そのうち ちょうちょになれるかもね
 だけど いまはそこにいろよ
 あおむしのジョン
 

 道の真ん中で昼寝もいいけど
 車にひかれるぞ ほら あぶないぞ
 また はでなもようだね なまけものだね
 いまにくわれるぞ ほら 太ってるから
 

 もちもち のびのび のんびり行くよ
 あおむしのジョン
 そのうち ちょうちょになれるかもね
 だけど いまはそこにいろよ
 あおむしのジョン


キャベツをあげても ほうれん草あげても
 くろい瞳はこっちを見ようとしない
 感謝の気持ちも全然見られない
 みどり色のものにしか興味がない
 

 もちもち のびのび のんびり行くよ
 あおむしのジョン
 そのうち ちょうちょになれるかもね
 だけど が になるかもしれないな
 あおむしのジョン
 

 ある朝 いつもの鉢植え見たら
 あおむし いない!
 そう 旅に出たんだよ
 手紙ものこさず なんにもいわず
 穴の空いた葉っぱをぼくは見てる
 

 もちもち のびのび のんびり行くよ
 あおむしのジョン
 そのうち どっかで会えるかもね
 だけど いまはさよならさ
 あおむしのジョン

2014.06.30

あなだらけ

あるくのはにがてだよ およぐのよりもずっと

くつぬげて ひざすりむいて

みっともないけどないている


うー

ここからひとっとび

おもいでなんていらない

あなだらけ わたしのからだがとぶ

あかいそら めにうかべて


さびしいまちでいちどみたのは

からすうりのリボンのこ

あたまのすみで じっとうごかずに

「おねがい わすれないで」とないている


うー

だれにもとどかないてがみでかばんはいっぱい

すこしだけわたしはかんがえては

つまさきのあなだけみつめて


くるまにのりこむへいたいのひとり みおぼえあるかおで

わたしにはきづかない でも まあいいや

あいつのしあわせだけいのろう


にちようびはおどりのおけいこして

ごごになるのをまってひるね

つまらないうそ きにしながら はながらのシャツのほつれをむすぶ


うー

しましまピエロがみみにはりついてきえない

あなだらけ わたしのからだがとぶ

ひらかないあまがさかかえて

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