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2014.06.30

ナガレヤマジュンコ

ジュンコは働く 古着屋で
 昼間のあいだ時給はゼロで
 麦わら帽子被りながら
 暇をつぶしてる
 猫と涼しいところで
 

 ぼくはふらふら通りを歩く
 「何か足りない」なんて思いながら
 頭が痛いのもきっとそのせいさ
 誰かに訊いてみよう はやく
 暗くならないうちに
 

 ぼくに合うシャツはどれですか?
 ぴったりくるのはどれですか?
 教えてよ 教えてよ
 でもジュンコはただ笑う
 

 「ねえ
 窓にうぐいすが止まってるよ
 煮ても焼いてもきっと食えないけれど
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子
 

 ジュンコはお気に入りの曲をかけて
 部屋中自分色に染めてから本を読む
 「リクエストなら答えてもいいけれど
 トムウェイツはダメよ
 真夜中じゃないんだもの」
 

 「あなたはほんと正直な人ね
 顔に(かまってほしい)って書いてあるもの
 お金がないのも知ってるわ
 棚の上の箱をとってよ
   話だけなら聞いてあげる」
 

 夏に合う帽子はどこですか?
 ぴったりしっくり来る帽子はいったいどこですか?
 教えてよ 教えてよ
 でもジュンコは靴下を縫う
 

 「車に雪が積もってるよ
 季節外れもほんといいとこだけど
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子
 

 ジュンコの耳には中国製のピアス
 「三年前の青空市で二つ揃えたの
 わたしのふるさとには二度あるクリスマス
 でもうらやましがらないで
 面白くもないのよ」
 

 「あなたは何か探しているみたい
 昔からずっとおんなじ何かを
 ものを見つけるにはまずはかがまなくちゃ
 明かりが弱いところはすてきに見えるんだよ」
 

 わからないことが多いのです
 納得いかないことが多いのです
 だから教えてよ 教えてよ
 でもジュンコはまだ笑ってる
 

 「ねえ
 大事な誰かの誕生日
 ひらひらのドレスを着て踊ろうよ
 こんな気持ちになったの初めてよ」
 ナガレヤマジュンコは古着屋の女の子

♪試聴

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